古代史を中心にした漂流記録&覚えておきたい記事、書籍、ニュースなどの備忘録として、あるいは自分の考えの足跡、生活の記録をしています。


by jumgon
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

杉本苑子の「檀林皇后私譜」

これは、橘 嘉智子を軸に周りを取り囲む人々を描いた小説である。
杉本苑子「二条院の讃岐」 の前の時代、<平安前期>を題材にしている。
          
     
49光仁帝・・・・・・・・・・・・・・・(井上皇后、他戸太子が獄死)

 50桓武天皇(山部親王)・・・・・・・・       

 51平城帝(安殿太子、母は乙牟漏皇后)・・・・薬子の乱(薬子は自縊)
   
 52嵯峨帝(神野王子、母は乙牟漏皇后)
             
 53淳和帝(大伴親王、父は桓武天皇、母は藤原旅子)         
           
 54仁明帝(正良親王、父は嵯峨帝、母は橘嘉智子) 
              
 55文徳帝(道康親王、父は仁明帝、母は藤原順子) 
 
小説だから、登場人物の性格、容貌、逸話などは、作者の想像、創作を交えていると思うが
          色々な書物を参照しながら作り上げたものと思う。

       面白いのは歴史上の有名人がイッパイ登場することだ。
            征夷大将軍         
             坂上田村麻呂                             
            三筆と言われた
            嵯峨天皇、空海、橘逸勢(橘嘉智子のいとこ)            
             同じ遣唐使船で唐へ渡ったメンバー
              空海、橘逸勢、最澄
                       等など、、、、
         下の書は左から橘逸勢、嵯峨天皇、空海の順です。
f0215268_15442216.jpg

      同じ文字でも、書から人物の違いを空想できそうですね!!

        そして、死因が怪しい色んな登場人物の死
             怨霊の出現におびえる心理
     一番恐いのは、、、祟りでなく権謀術数をつかって怨霊を創る人間だ、と感じた。

    小説が進むにつれ、それぞれ人物の心理がじょじょに変化していく、、、、。
     嵯峨帝の皇后になった橘嘉智子といとこの橘逸勢の関係が
     変化し、ついには逸勢の死を黙認(画策)するまでになっていく。
      明治期の大久保利通と西郷隆盛の関係を思い起こさせた。

     杉本氏の小説はいつもそうだが、血肉の通った歴史を想像することが出来た。
    
            折から民主党の代表戦選挙があった。
      何時の時代も似たようなことが行われているんだなぁ~と思った。
            (毒殺はないと思うけれど~)

 最後に印象的な言葉を記して置く
   
<四大元空>
 
  地、水、火、風の四元素から成り立つ人身は、死ねば元の空にー無に還る。
  死後の世界にまで延長して自己を認識する霊魂などというものは、実際には存在しない。     

  地獄を現出するのも浄土を形成するのも、すべて生き身の内の働きであり、だからこそ、
  今日ただ今のこの”生”をいかに生かすか、生きるかが、重大な問題となるのだ、
  との明快な把握であった。

[PR]
by jumgon | 2010-09-18 15:59 | ★読書・放送・講演会