古代史を中心にした漂流記録&覚えておきたい記事、書籍、ニュースなどの備忘録として、あるいは自分の考えの足跡、生活の記録をしています。


by jumgon
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遣唐使船の乗組員と持参した朝貢品

遣唐使についての勉強をかねながら「天平の甍」の舞台となった
第9次遣唐使発遣について調べてみた。


以下の文は
●東野 治之著 「遣唐使船」
●http://kondoh-k.at.webry.info/200512/article_7.html
●http://nihonnsi.blog.so-net.ne.jp/2008-05-19?comment_success=2010-12-19T13:56:27&time=1292734587 

を参照しました。

◆天平4年・(732年)朝廷で第9次遣唐使発遣が議せられる。

大使  :従4位上・多治比広成
副使  :従5位下・中臣名代
判官  :4名
録事  :4名

四等官より下の構成員については『 延喜式(大蔵省式) 』に次のような人々が記されています。
*以下は正確には第9次遣唐使の内容かどうかは分かりません。

(1) 史生(ししょう、書記官)、雑使(ぞうし)、傔人(けんじん、使節の従者)
(2) 訳語(やくご、通訳)
   新羅・奄美等訳語(◎奄美の訳語も必要だったの?奄美などに漂着した場合に必要) 
   主神(神主)
   医師
   陰陽師(易占、天文観測)
   卜部(うらべ、占い師)
   射手(いて)
   音声長(おんじょうちょう、楽長)
(3) 知乗船事(ちじょうせんじ、船団管理者)
    船師(船長)
    船匠(船大工)
    柁師(かじし、操舵長)
    挟抄(かじとり、操舵手)
    水手長(かこおさ)
(4) 留学生(るがくしょう、長期留学生)
    学問僧(長期留学僧)
    請益生(しょうやくしょう、短期留学生)
    還学僧(げんがくそう、短期留学僧)
(5) 音声生(おんじょうしょう、楽師)
    玉生(ぎょくしょう、ガラス工人)
    鍛生(たんしょう、鍛冶鍛金工)
    鋳生(ちゅうしょう、鋳物師)
    細工生(さいくしょう、木工工人)
 ●これらの随行員は出発に際して、朝廷から賜物(餞別)が下賜されました。賜物は旅費等に使用され、また、唐での交易を行う時にも役立てたようです。

(注)唐政府から正式な遣唐使であることが確認されると、遣唐使一行の唐での滞在費や移動に要する旅費等の諸経費は、朝貢使待遇の一環として全て唐側で負担しました。
そのあたりの事情もあったと思われますが、遣唐使のうちで都の長安へ出向できたのは、全体の10%程度(後期遣唐使の場合で40~50名)の人数でした。
他の者は定められた別の地で、それぞれの専門分野の知識を学ぶため、それらの地で種々の研鑽に勤めたようです。


第9次遣唐使の場合(天平の甍の舞台)
   留学僧(長期留学僧)
    大安寺の僧・普照ふしょう(栄叡より2歳下)
    興福寺の僧・栄叡ようえい(30歳すぎ)

その他に「水手」「射手」の下級船員まで、総勢580余名

延喜五年(905年)に編纂された『延喜式』の賜蕃客例条(大蔵省・賜蕃客例・大唐皇)によると、

近江、丹波、播磨、安芸の四カ国に使節が派せられそれぞれ一艘ずつの大船の建造が命じられた。
4艘で出航


◆遣唐使が持参した朝貢品

延喜五年(905年)に編纂された『延喜式』の賜蕃客例条(大蔵省・賜蕃客例・大唐皇)によると

◇国信(定例の朝貢品・輸出品)
①銀・大五百両
②水織絁(みずおりあしぎぬ)・二百疋
  美濃絁(みのあしぎぬ)・二百疋
  細絁・黄絁、各三百疋
*絁(あしぎぬ)・真綿などの絹製品。
③黄糸(きのいと)・五百絇
*「黄絁」(きあしぎぬ)「黄糸」(きのいと)は、皇帝への朝貢品であることを明示する工夫。
    (中国では、皇帝の色は、黄色とされる)

④細屯綿(ほそつみのわた)

◇別貢(別送)
①綵帛(さいはく)
*綵--べつのよみかたはあしぎぬ  帛--べつの読み方は、きぬ
②畳綿二百帖、
③屯綿二百屯、、
④紵布(ちょふ)・三十端、 
  望陀布(まぐだのぬの・上総国望陀郡産の麻布)・一百端
*望陀布(もうだのぬの)は、古代において上総国望陀郡(現在の千葉県袖ヶ浦市・木更津市・君津市付近)で産出されて調として徴された麻織物(麻布)のこと。律令制においては最高級品と規定され、大嘗祭などの宮中祭祀や遣唐使の贈答品としても採用された。

⑤木綿(ゆう)一百帖、(木綿(楮や麻の繊維)
⑥出火水精、(しゅっかすいしょう)十顆
⑦瑪瑙(めのう)十顆 
⑧出火鉄 十具
⑨海石榴油(つばきあぶら)六斗 
⑩甘葛汁(あまずらのしる、植物性甘味料)・六斗 
⑪金漆(こしあぶら、防錆用樹脂液)・四斗
鉱物製品について
 出火水精 十顆
 瑪瑙   十顆
 出火鉄  十具
「出火」という語が付くのは、火打ち道具として使うから  出火鉄は、火打ち金(火打ち鎌)。
  火打ち金で、火を起こすには、よい火打ち石が要る。
  その石は、石英質のものが適している。純度の高い石英である水晶や、成分に石英を含むメノウが最適。
  火打ち金十具に対し、火打ち石として最適の出火水晶 10個、出火メノウ10個用意されている。

唐の官人は、腰の革帯に手巾(ハンカチ)や刀子、算木(さんぎ)などとともに、
火打ち道具一式を入れた袋を下げていて、それらは一種の装身具でもあった。(吉村苣子)

唐に運ばれた火打ち道具も、そのように使われたらしい。
三ツ塚古墳群(奈良県葛城市当麻町)に副葬されていた革袋は、それを偲ぶ手がかりになる。
この古墳群には、9世紀の中下級官人が葬られているが、
彼らもこうした唐風の装身具を着けていたのだろう。
火打ち金や水晶の原石も見つかっている。

*延喜式(えんぎしき)とは
平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)で、三代格式の一つです。
905年(延喜5年)、醍醐天皇の命により藤原時平らが編纂を始め、時平の死後は藤原忠平が編纂に当たり、927年(延長5年)に一応完成したとされています。

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by jumgon | 2010-12-27 21:24 | ★言語、歴史