古代史を中心にした漂流記録&覚えておきたい記事、書籍、ニュースなどの備忘録として、あるいは自分の考えの足跡、生活の記録をしています。


by jumgon
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日本の技術・洗濯、手入れ

万葉集
      春過ぎて 夏来たるらし
         白妙(しろたえ)の 衣干したり
           天(あめ)の香具山(かぐやま)         
                      持統天皇


◆意味: 春が過ぎて、夏が来たらしい。白妙(しろたえ)の衣が香久山(かぐやま)の方に見えます。

たいていの訳文には上記のように書いてあり、私はもうひとつはっきりイメージできなかった。

洗濯ものを干しているのが見えるなんて、よほど近くでないと見えないではないか。
せいぜい、100メートルくらい先までだ。
飛鳥の宮殿から遠望できるとなると余程大きなものでないと~。

香久山あたりを、散歩したときに見かけたものなのか、、、、。

ここには、「衣」とかいてあるだけだ。
これでは、丸洗いしたものを干しているようなイメージを持ってしまう。

◎前回{日本の技術・縫製と手入れ}を勉強してから、
「解き洗い」をしてから干している様子を表している、のではないかと思い付いた。

さてそれが、
「板張り」か「伸子張り」かなのだが私が抱くイメージからいえば、「伸子張り」だと思う。
初夏のさわやかな風にたなびいている、衣
いかにも、衣替えの季節の風物詩ではないだろうか?
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そこで板張りと「伸子張り」の歴史を調べてみた。
http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daihyakuyondai

板張り
板張りは江戸時代末期以降に急速に広まった方法で、
着物や布団などを解いて洗った後に張板に張るものである。
伸子張りに比べて端縫いをしなくてもいいし、場所も取らず手間もかからないので、はるかに簡便なやり方である。
おそらく庶民に木綿の衣服が豊富になってきたという事情により、仕上がりよりも使い易さや簡便さが求められたのであろう。

張板(栃の木製の一枚板)に布海苔(ふのり:海藻でつくった糊(のり))を刷毛(はけ)でひきながら、布裏を板にはる。はりおえたら板を
たてかけて、自然乾燥させる。おもに木綿や化繊など、ぬれてもあまりちぢまない布に適している。

◎海藻から糊が作れるのだ!

伸子(しんし)張り
ときはなした布を、あらかじめ端縫(はぬい:裁断前の反物の形になるようぬいあわせること)してから洗濯をおこなう。
その後、布の両端をひっぱり、伸子(竹の細棒の両端に針のついたもの)を4~5cm間隔で布の両耳にうっていく。布裏全体に布海苔を刷毛でひいて、自然乾燥させる。

伸子張りは平安時代の資料ですでに確認できるもので、非常に古くからある方法である。それは着物を解いて洗い、縫合して反物の形にした後、柱や木の幹に引っ掛けた二本の棒を使ってこの反物を引っ張り、その両耳に竹串を等間隔で弓状に差し渡していくものである。この竹串を「伸子(しんし)」といい、反物を引っ張る時に使用する二本の棒を「絹張(きぬはり)」あるいは「桁(けた)」2)という。また絹張を柱等に引っ掛ける紐のことを「引手(ひきて)」という
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伸子張りの最古の資料は『年中行事絵巻』(図1)にある。時期は12世紀後半とされる。反物にして洗った着物を輪状に縫って絹張を入れ、庭にある二本の木の幹に紐で引っ掛けて張り、下女と思われる二人の女性が伸子を差し渡している様子が描かれている。反物を上下二段にして伸子張りを施しており、Aタイプである。もう一人の女性は鮮明ではないが、糊を刷毛塗りしているものと思われる。

さてここに出てくる、ふのりはどんな海藻なんだろう?

フノリ(布海苔)とは、紅藻類フノリ科フノリ属の海藻。「布海苔」と漢字で書くこともあるが、ひらがなやカタカナで表記されることのほうが多い。また、布苔、布糊、海羅と書かれることもある

2月から4月にかけてが採取期で、寒い時のものほど風味が良いといわれる。採取したフノリの多くは天日乾燥され市場に出回るが、少量は生のまま、または塩蔵品として出回ることもある。

乾燥フノリは数分間水に浸して戻し、刺身のつまや味噌汁の具、蕎麦のつなぎ(へぎそば)などに用いられる。お湯に長時間つけると溶けて粘性が出るので注意が必要である。
乾燥フノリ
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岩に自生するフノリ
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近年、フノリはダイエット食品として注目されている。また、フノリの粘性の元となる多糖質に抗がん作用があるとか血中コレステロールを下げる作用があるなどという見解を持つものもおり、フノリの成分を使った健康食品なども開発されている。

フノリは古くには食用よりも糊としての用途のほうが主であった。
フノリをよく煮て溶かすと、細胞壁を構成する多糖類がゾル化してドロドロの糊状になる。これは、漆喰の材料の一つとして用いられ、強い壁を作るのに役立てられていた。
ただし、フノリ液の接着力はあまり強くはない。このため、接着剤としての糊ではなく、織物の仕上げの糊付けに用いられる用途が多かった。「布糊」という名称はこれに由来するものと思われる。また、相撲力士の廻しの下につける下がりを糊付けするのに用いられたりもする。

その他、フノリの粘液は洗髪に用いられたり、化粧品の付着剤としての用途もある。また、和紙に絵具や雲母などの装飾をつける時に用いられることもある。
◎なるほど、日本人は海藻をとことん利用しているのですね。
 自分が海辺に住んでないものだから、海洋民族なんて言われてもピンとこなかった。

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by jumgon | 2011-02-01 15:34 | ★言語、歴史