古代史を中心にした漂流記録&覚えておきたい記事、書籍、ニュースなどの備忘録として、あるいは自分の考えの足跡、生活の記録をしています。


by jumgon
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[悪名の棺] 笹川 良一伝

悪名の棺
笹川 良一伝

工藤美代子著

私がこの本を手にとったのは、私とまったく違う世界の人間と思われる人物についての、野次馬的な好奇心からだ。
フィクサーとして日本の政界や経済界に君臨した「笹川良一」は恐い人、危ない人というイメージがあり、知らない世界を覗き見してみようと気持ちから読みはじめた。

氏について、毀誉褒貶、さまざまな評価があるようだが、私には本当のことは分からない。
工藤氏が色々な資料を渉猟して、笹川氏のアウトラインを描いたものを、こういう側面もあったのかと、面白くよんだ。

特にわたしが無知だった、第二次世界大戦後の東京裁判(極東国際軍事裁判)や戦犯という言葉についてや巣鴨刑務所の話はおぼろげな知識しかなかった私には勉強になった。
国家の指導者だった人、敗戦までは権力を振るった政治家や軍の指導者が一転して、ただの罪人(連合国側からの評価)になり尾羽うちからして、みじめな姿になったのは敗戦と言う現実だった。
そんな中で、人間のいやしさ卑怯なずるさを露呈する人と、プライドを保ち、潔かった人もいたらしい。
人間、学問や教養があって立派な人と思われていても、究極の状況におちいったら、その価値がすっかり変わる人もいる。

あと、氏のプライベートな記述の中で、愛人が八雲琴を習いたいというので、飛鳥寺まで送迎したと書いてあったが、いつか飛鳥寺を訪問した時に二弦琴がお寺のガラスケースに入っていたのを思い出した。宮尾登美子の「一弦の琴」を読んだ時期だったので、普段なら気づかない古ぼけた琴がに気付いていた。

●八雲琴について
飛鳥寺の長老であられた故山本雨宝(震琴)師は、八雲琴の演奏者として国の無形文化財の指定を受けておられ、生涯長きにわたり八雲琴を保存伝承され、口伝であったたくさんの曲を採譜し、また神前楽器であったこの琴を広く東洋音楽として紹介されました。


氏の生い立ち、価値観、プライバシーや、福祉事業、など幅広い話題にふれていて、これが本当の氏の姿かどうかは私には分からないが、ともかく幅のひろい人物だろう。

世の中、巨万の富をつかむ人もいれば、その日の暮らしにも困る人がいる。ほんとに、人間世界は幅が広い!!
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by jumgon | 2011-03-29 15:20 | ★読書・放送・講演会