道照の父・船恵尺
2011年 06月 16日
道昭の父・船恵尺【ふねのえさか】
朝日日本歴史人物事典の解説.
生年: 生没年不詳
7世紀中ごろ,大和王権に仕えた人物。僧道昭の父。
百済 からの渡来人で船氏の祖王辰爾の子か孫という。姓は史,名は恵釈とも書く。
『日本書紀』によれば,
乙巳の変(645)で中臣鎌足,中大兄皇子(のちの天智天皇)らに襲われた蘇我蝦夷が自害したとき,その邸宅にあった「国記」が焼失しようとしたのを火中から取り出して中大兄に献上したと伝える。
このエピソードから元来,文筆に長けた家柄の出である船恵尺が当時,蘇我氏の下で「国記」など歴史書の編纂に当たっていたと考えられる。また西文氏の祖王仁の伝承も,このころ恵尺によって作られたという説がある。<参考文献>井上光貞『日本古代思想史の研究』,山尾幸久『日本古代王権形成史論』
(鈴木靖民)
◎道昭の父・船恵尺と「乙巳の変」、教科書で読んだ歴史が少しずつ具体的に見えてきたように思えます。